考察してみる

ヒーローとは何だろう？
そんな疑問を抱いて、辞書を引いてみた。
大辞林という辞書を使うけど……、何版かが分からないな。まぁいいや。
とにかくそれにはこうしるされている。

１・英雄。勇士。
２・はなばなしい活躍をした人。
３・小説・演劇などで、男の主人公。

念のため、英雄の意味も調べてみる。

才知・気力・武力にひいで、偉大な事業をなしとげる人。

では矢神が普段使っているヒーローの意味とは？
それに満足のいく答えは残念ながら記載されていなかった。
そこで、矢神は矢神なりにヒーローという言葉を定義づけてみた。まぁ興味のある人は続きから。

ヒーローとはつまり、己の正義を貫く人。
女性は特にヒロインと呼ぶ。

矢神含め、多くの人はこのように捉えていることと思う。
しかしこれには大きな穴があるわけだ。
そう、「自分こそが正義だ」と主張すれば、たとえ非人道的振る舞いでも正義となってしまい、それですらもヒーローとなってしまうのだ。
だから、この定義は次のようにするべきである。

ヒーローとは、己の正義を貫き、それが周囲に評価される人。

だがしかし、これでも穴は存在する。
非人道的振る舞いを評価する存在が大勢いれば、それもまたヒーローになってしまうからだ。
人を殺害すれば犯罪者になる。これは周囲がこの殺人を正義として認めないから。
しかし戦争になれば殺せば殺すほど周囲に評価され、それだけ偉大なヒーローになってしまう。
ヒーロー番組というのは、これと同じなわけだ。
ヒーロー側と敵組織側に別れ、戦争をしていると思えばいい。ヒーローが敵組織の怪人なんかを倒せばそれだけ褒め称えられ、怪人も(大量殺人が目的の作戦を任せられている怪人ならば)人間を殺せばそれだけ評価されるわけなのだ。
こちらから見て非人道的な振る舞いをする怪人でも、敵組織からみれば英雄である。

以上のことを考え、矢神は閃いた。悪の組織に存在するヒーローを。
しかし、怪人というのもなかなかに優秀なものだ。ただヒーローに一歩及ばないだけで。
つまり悪の組織に存在するヒーローとは、人間側のヒーローを倒す力、あるいはヒーローに負けない力のある怪人を指すわけだ。
悪の組織といえど、信念があれば彼らにとってはそれもまた正義。矛盾してるかもしれないけど、悪の組織はやはり正義なのだ。
悪の視点から描く正義……。なかなかに面白そうだ。
これはネタとして暖めておこう。