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ひっそり書店のブログです。 布乃伊の機嫌を損ねる場合があるので、誹謗中傷、小説等の紹介はなるべく避けてください。
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ついさっき母からそう言われた。
父方の義祖父が亡くなったということだ。
何故義祖父なのかといえば、本当の祖父は父が高校生の頃亡くなってしまったらしい。それから祖母が再婚したから、義祖父なんだ。
そのとき父は自分の苗字が変わることを嫌って、家庭内で自分一人だけ苗字が違うという複雑な環境が生まれたらしい。
もしこの時父が苗字を変えていたら、今矢神は矢神というPNではなかった。この「矢神千倖」という名は、本名をいじって生まれたものだから。

話を戻そう。
義祖父がどのような経緯で亡くなったのかは知らない。そこまで聞かなかった。
でも、悲しいとも寂しいとも思わない。矢神は義祖父に会った記憶がたった1回しかないから。それも10年近くも前に。全然身近に感じられなかった。
それに義祖父は、矢神や父、母、妹たちにもあまり良い印象を抱いていない感じだった。そりゃ再婚相手の連れ子とその家庭だしね。だから正直、「へぇ~」くらいで済ましていた。

今、ちょっとだけ祈ってみた。
「南無真如一如大般涅槃経(念仏みたいなものだと思って結構)、1度しか会った記憶がないけど、どうか安らかにお眠りください」
そう呟いてみた。あの念仏みたいなのは矢神の宗教なのであまり気にしなくても良いのですが……
こう祈った瞬間、ふっと寂しさが湧いた。あまり身近にも感じられなかったし、好感を持てる義祖父でもなかったけど、それでもやっぱり親族は親族なのだと、そう思ったんです。

人の死って、身近でないと実感出来ない。けど、死を意識するとそこに寂しさが生まれる。
これが供養なんだ。矢神はそう思った。
義祖父……正直、いてもいなくてもあまり矢神には関係なかった。だけど、その存在は親族の一人として、この矢神に僅かな影響を与えていた。自分では気づけないような、本当に些細なものだけど。
その影響の源は今失われてしまった。いなくなっちゃったんだよね。
矢神は葬儀には参加しないで、妹たちと共に留守番してる。だけど、義祖父の住んでいた北海道へ、遠く離れたこの神奈川の地から小さな祈りを運ぶ。

「せめて安らかに眠ってください。ご冥福をお祈りいたします」
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プロフィール
HN:
布乃伊奴
年齢:
35
HP:
性別:
男性
誕生日:
1990/05/14
職業:
生徒
趣味:
特になし
自己紹介:
三次元未確認人型無気力生命体。
他者の作品を嫌うことで、「自分オリジナル作品」を目指している……らしい。
小説等の作品を紹介されることを極端に嫌う。
それにより、時折機嫌を損ねて手近な紙を引き裂き続けることも。
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