忍者ブログ
ひっそり書店のブログです。 布乃伊の機嫌を損ねる場合があるので、誹謗中傷、小説等の紹介はなるべく避けてください。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

プログラムやイラスト、作曲などといったクリエイティブな作業と、小説執筆やシナリオ作成といった作業を比べると後者の方が軽く見られがちなんだよね。
何故そんな風に言えるのかといえば、(個人やサークルでの)ゲーム作成やボイスドラマ作成の人材募集を見れば分かります。イラストレイターやプログラマーといった人を募集しているところは非常に多いのですが、シナリオライターを募集しているところは圧倒的に少ないんですよ。
これは募集者が「シナリオなら自分で作れる」と思っていることに由来するんですよね。実際に「シナリオくらいなら自分で作れるので……」といったコメントも多々見かけます。
文字書きの矢神としては非常に残念ですが、これが現実なんですよね。事実、全てを取り締まる役に回ることの多い募集主がシナリオを考えた方が何かと円滑に進みますし。
しかし何故「シナリオや小説なら自分にも書ける」と思う人が多いのでしょうか。そんなことを考えてみました。

答えは他の作業と比較することですぐに見つかりました。

まず、絵について考えてみよう。
絵……まぁイラストですね。
イラストは初心者が描くと多くの場合(言ってはなんですが)下手な絵になります。
何度も何度も描いて、長い時間をかけてようやく上達してきます。
つまり、上手なイラストはその人の努力の結晶。すなわち「技術」なわけです。

次に、プログラムについて考えてみる。
これはまず勉強しないことには始まらない。
普段全く使わない言語を覚え、使いこなす必要がある。プログラムに関してはコピペも使えるけど、文法を理解しないことにはどうにもならない。
学び、理解し、使いこなす。プログラミングとは一つの学問であり、またこれも「技術」なんですよね。

そして作曲。
これもある程度勉強が必要ですし、その人自身の感覚や音感も重要になってくる。
同じギターでもその種類によって全く音が違うからどれを選ぶか決めなくてはならない。
経験と感覚がものを言うこれはやはり「技術」なんですよね。

ならば小説やシナリオはどうか。
ぶっちゃけた話、シナリオは箇条書きでもどうにかなります。「何がどうしてこうなって、そうなっていく」と、物語の流れが書いてあればそれでシナリオなわけですから。
小説も同じ感覚で作れます。書きたいシーンを決めたら、後はそこにセリフを組み込みながら文字を書いていくだけ。人並みの語彙があれば誰にだって書けてしまいます。
また、シナリオや小説に関しては作者の思い描くシーンを文章にしただけなので、他者から見れば稚拙なものでも当事者にしてみれば輝いて見えてしまうわけですよ。
これを極めるなら話は別ですが、趣味程度、遊び半分くらいならイラストやプログラムなどに比べて非常に敷居の低いものになるわけです。
これは「技術」ではなく「自己満足」でまかなえてしまうんですよ。

矢神も以前はそうでしたが、小説を読んで「これくらいのものなら自分にも書ける」と思ってしまう人は後を絶えません(現在の矢神は「こんなの書けないっすよ……」と凹んでしまいがち)。
コロンブスの卵って奴で、実際にやってみると非常に難しいのに何となく簡単なことに思えてしまうんですよね。
また小説は自分の粗に自分で気づけるようになるまで非常に時間がかかります。小説書いて三年半になる矢神でも自分の粗に気づけないでいます。
だから余計自分の小説やシナリオが際立って見える。
だから小説やシナリオは軽く見られてしまうわけです。

「そんなことはない。小説もシナリオもそう軽く見られてはいない」と思ったでしょう?
まぁこの記事を読んだ人の中にはこう思う人もいるはずです。しかしそれは、小説を書いた経験があったり多くの小説に触れてきたりしたからそう思えるんです。
そうなると周囲の人もだいたい小説に詳しい人って増えてきますから自然と小説を軽く見る人が周囲にいなくなってくるんですよ。

しかし、小説を書いたこともない。あんまり読んだこともない。そんな人に、
「今から短いものでも良いから何かストーリーを思い浮かべて文章にしてみて」と言うとだいたいの人は何かしら書きます。そして書き上げたことにその人は達成感を持つでしょう。我々からしたら陳腐で使い古されたようなストーリーだったり、矛盾だらけのものだったりしたとしても。
でもその人はそのことに全く気づかない。これが恐ろしいところです。ここに小説やシナリオが軽く見られる一因があります。

……と、矢神もそこまで深く調査したわけじゃないんですけどね。
しかし上記のことはほぼ確実に今の世の中に当てはまっているはずです。まぁところどころ「それは違うよ」なんて言われそうですけどね。
まぁまとめるとこんな感じ。

イラスト・プログラム・作曲等は「技術」であり、作品の完成度や途中経過でもその良し悪しが作者自身にも分かりやすい。
一方小説やシナリオは「自己満足」でまかなえるものであり、作品が完成してもその良し悪しが作者自身では区別しにくい。
故に、小説やシナリオは「簡単に出来てしまうものなんだ」という意識を持たれやすい。

ということです。ちょっと悲しいことですよね。
(そう言う矢神も「小説書けるより絵が描けたり作曲出来たりする方が凄いなぁ」と思ってる一人ですが)
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
[117]  [116]  [115]  [114]  [113]  [112]  [111]  [110]  [109]  [108]  [107
カレンダー
05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
フリーエリア
最新CM
[05/19 矢神千倖]
[05/19 ぷちミント]
[03/31 矢神千倖]
[03/31 雨霧]
[03/24 矢神千倖]
最新記事
(07/28)
(07/28)
(07/26)
(07/19)
(06/24)
プロフィール
HN:
布乃伊奴
年齢:
35
HP:
性別:
男性
誕生日:
1990/05/14
職業:
生徒
趣味:
特になし
自己紹介:
三次元未確認人型無気力生命体。
他者の作品を嫌うことで、「自分オリジナル作品」を目指している……らしい。
小説等の作品を紹介されることを極端に嫌う。
それにより、時折機嫌を損ねて手近な紙を引き裂き続けることも。
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
ひっそり日誌 小説家やシナリオライターってね Produced by 布乃伊奴
黄昏 Designed by ブログテンプレート がりんぺいろ
忍者ブログ [PR]
free pictures