何だろう

軽く鬱文かつ、一般大衆を否定するような表現を含むので、続きに書いておきます。正直、ちょっと気が沈んでます。
気分を悪くすること必至ですので、スルー推奨。
批判、反論は受け付けません。むしろ、批判したくなるような文章ですので、読まない方が良いと思います。
……自分自身や世の中に嫌気がさしてる人なら、仲間意識くらいは持てるかもしれません。

達成感って何だろう。
何かを成し遂げて、「あぁ、俺頑張ったなぁ」って、自分を褒めたくなるような気持ちだってことは理解してる。
でも、矢神にはそれが理解出来ない。
何かを成し遂げても「あぁ、疲れた」くらいしか感想を持たないから。達成感が何なのか、理解は出来ても体感出来ない。
確かに、何かを達成した瞬間喜びに近いものは覚える。でも、その後すぐに「……こんなことで喜んだって、(何にもならないな」とその喜びを否定してしまう悪い癖を持っていたりする。
「じゃあ、何で小説なんか書いてるんだ？」と問われれば、矢神はその「過程」を楽しんでいるだけであって、正直完成した作品にこれといった感情を抱くことは少ない。
自分では「この作品はなかなか傑作だ」と評価することはあまりない。誰かに読んでもらって、感想をもらってから「あ、この作品は面白かったのか」と認識する。
だから、どんなにつまらない作品でも執筆する過程が楽しければ良いわけだ。
漫画やアニメ、ゲームなんかで、「途中は楽しかったけど、終わってみてよく考えてみたら、そこまで面白い作品ではないな」なんて感じることはないだろうか？　それと一緒だと思う。
途中が楽しければ、過程が楽しければそれで良いわけで。その後の評価はどうだって良い。
だから、そこに達成感は発生しない。
どうして達成感を得ることが出来ないのか。どうすれば達成感を得ることが出来るのか。
おそらく、矢神の挑む課題が簡単過ぎるのだと思う。大した努力もせずに達成出来てしまうから、感動が少ない。
かといって、難しい課題に挑むとすぐに挫折する。簡単なことに慣れ過ぎて、ワンランク上に挑戦することに抵抗を覚えるようになってしまったんだと思う。
こんなに堕落した人間を、社会は必要としないだろう。達成感を覚えないことは、向上心を持たないことに直結する。趣味らしい趣味を持たず、特技もなければ意欲もない。短所はあっても、長所がない。達成感を得られないだけで、ここまで人間は堕ちる。

先日、学校でちょっとした調査書の資料を書かされた。
一年間で最も熱中したこと。
自分の長所。
そういったことを書かされた。でも矢神にはそんなものがなくて、そこは空白のままだ。
それと、自分の性格についても記す部分があった。
七十種類以上の、性格に関する言葉が用意されていて、自分に当てはまるものに印をつけるというものだ。
しかしこの性格の部分、プラスになるようなものしか用意されていなかった。「朗らか」とか「何事にも積極的に取り組む」とか。
７～１０個ほど印をつけろと書いてあったが、正直１個も印がつかなかった。七十種類の選択し全てに、理由をつけて否定出来た。
友人は、「否定的に捉えるとダメだ。もっと良い方に考えた方が良い」と言っていた。しかし……
「じゃあ、俺のどこが朗らかなんだ？　俺に、多くの友人がいるか？　周囲から頼りにされるほど、凄い人間か？」
この問いに、友人は答えてくれなかった。そりゃそうだ、矢神は本当に何も出来ない人間だから。
手先も不器用で、創造性もなくて、信頼や人望もなくて、周囲を否定することしか出来ない。
それが矢神千倖……いや、矢神千倖は、今キーボードを打っている矢神千倖の本体が作り出した、仮の存在でしかない。本体よりも数倍すぐれた存在。
こういう文を書く時だけ、本体が顔を覗かせる。矢神千倖という名を借りて、本音を喋っている。
あるいは、矢神千倖が本体の陰口を叩いていることになる。
矢神千倖としての活動はたくさんある。でも、本体は何も出来ない。
別に二重人格とか、そういうわけではない。
人前に出ると、何となく性格が変わってしまうことってあるだろう。それと似たようなこと。
誰かが一緒にいるだけでやる気が出る。でも、一人になるとやる気が出ない。そういった経験は、誰にでもあると思う。それが矢神と本体。
くだらない関係だ。
何も出来ない人間が、自らの生産物を発表して、感想を得て、一喜一憂している。
それだけの、実にくだらないことだ。
何も出来ないくせに。何をやっても上手くいかないくせに。いったい何を求めているというのか。
一般の人間は、このくだらないやりとりの中にいったい何を見出しているのだろうか。何かを成し遂げても、結局は無に帰す。それの何が楽しいのか、理解出来ない。
多分、その喜びを知る人が延々と説明してくれたって、俺には理解出来ない。感じ方が違うから。
甘いものが苦手な人に、甘党の人が「いかに甘いものが素晴らしいか」と説明したって、苦手な人には受け入れられないだろう。もしそんなことで苦手な人が甘党になれるのなら、こんなに素晴らしい世界はない。
矢神がこの世界を好きになれない限りは、達成感を得たり出来ないだろう。
矢神は、この世界に不向きな人間なのかもしれない。